久し振りに帰省していたS子と会えた。

当時まだ小さい子どもさん2人と一緒に3人で帰省していた。

いつまでいるのか聞いたところ、

「いつまでいるか決めてないの。私家を出てきたの」

とS子が答えた。

「もう別れるつもり。もう限界。」と怒っている。

全ての事を聞いた訳ではないが、S子が一番許せなかったのは、出産に関してのご主人の態度だった。

「結婚してすぐに流産をしていた」と、この時初めて聞いた。

流産の気配があり、絶対安静と医師から注意されていたS子は入院したかったが、ご主人が反対し、家で安静に過ごす事にしていた。
が、ご主人が全く協力せず、家事は自分がやるしかなかった。

日曜日にご主人と過ごしていた夕方、突然出血があり、止まらなくなった。

「流産しそう!お腹が痛い!病院に連れていって!」とご主人に訴えるS子。

するとご主人は、動揺もせず、平然とこう言ったそうだ。

「はあ?俺の晩御飯は?作ってから行けよ」


 さあ、自分ならどうするか。
タクシー呼んで一人で病院に行っただろう。S子はそうではなかった。     

出血が止まらず、腹痛もひどい、このままでは流産してしまう!と危機感一杯のS子。

それなのに動揺もせず、「俺の晩御飯を作ってから病院に行け」と言い放ったご主人。

お腹をおさえながらS子は台所に立った。

(え~っ!そんなの無視してさっさと病院に行けばよかったのに)と思ったが、ご主人の付き添いなしでは病院に行けないと思った彼女は、急いで料理をしたのだそうだ。

ゆっくりとご飯を食べるご主人を待ちながら、不安と痛みに耐えるS子。

やっとの事で、ご主人とタクシーで病院へ。

到着と同時に出血が激しくなり、結果流産してしまった。

医師から「どうしてすぐに来なかったのですか」と言われたが、理由を言えるはずもなかった。

「あの時の旦那を許せない。今でもずっと。」というS子。

でも、それから2人の子供さんに恵まれて良かったね、という話になると、顔を曇らせた。

「子どもは可愛いし、産んで良かった。子どもだけが生きがい。子どもがいなかったらすぐに別れていたと思う。」
「実は、旦那を嫌いになっていたから、子どもは一人でいいと思っていたの。家庭内離婚状態になってたのよ。」
「ところが、DVを受けて…その後二人目ができたの。」

その二人目の子どもさんは、この時1歳になっていた。


 自分にも言いたかった事!☆私も似たような体験がある。自分の身体が一番大事。無理しないで出来ない時はできないときっぱり断ろう。