帰宅して、疲労感に襲われているところにK氏から電話がきた。



携帯電話は無い時代。相手が誰かもわからずベルがなったら取るしかない。



「さっきは申し訳ない。いやあ、軽い冗談のつもりでさ、なんちゃってと言って、すぐ引っ込めるつもりだったのに、本気にされちゃって参ったよ。怒らせてしまってごめんね。こういう悪ふざけはもうやらないから、許してほしい。また明日から仕事一緒に頑張ろうよ。このまま会社に来なくなっちゃうと困るし。心配になって電話しちゃった。」


と、必死で言い訳してきた。



言い訳なんかどうでも良かったが、私は仕事さえ気分よくできるのならいいかと思い、この話は忘れる事にした。



翌日から普通に出勤し、何事も無かった顔で過ごした。



その後も、K氏は相変わらず寄り道する癖は続いており、奥様ともめている様だった。



それから半年が過ぎた頃、同期の子からハイキングに誘われた。


数人の気の合う社員で行くプランだとのこと。


軽くOKした。



が、メンバーを聞いて、ぎょっとした。K氏が入っていたのだ。

独身の子だけで行くのかと思っていたが、K氏だけを私が反対するのも変だし、まいいかと気にしない事にした。


しかし、それが後から失敗だったと思い知る事になる。